頸部にかかわる代表的な後遺症

むちうち症

交通事故による外傷の中で頚部の損傷は最も頻度が高いといわれており、その頚部損傷はむちうち症」と呼ばれていますが、この呼び名は診断名ではなく、損傷の起こり方を示していると理解したほうがいいと思います。

運転中に追突を受けると頭が後方へのけぞるように頚部が過伸展状態になり、次の瞬間にはその反動で頭は前方へ屈曲します。ちょうどムチを振った状態であることからこの呼び名が使われるようになったようです。

むちうち症と呼ばれるものの中には頚部損傷の軽重があり、大別して軽いものから頚椎捻転、頚椎捻挫、神経根症、バレリュー症候群、脊髄症が考えられます。

頚椎捻転

頚椎捻転は最も軽い損傷です。

頚部を走る筋肉や人体などの軟部組織が一時的に引き伸ばされただけで、次の瞬間には元の状態に戻っているものをいい、数日間痛みは続くものの、後に問題になることはないという診断名です。

頚椎捻挫

頚椎捻挫は頚部を走る筋肉や靭帯、あるいは他の組織に部分的な断裂を起こしている状態を指します。

断裂した組織そのものは6〜8週間以内にほぼ治癒しますが、その間には後頭部に頭痛、首筋のコリと痛み、肩のコリと痛み、背中のコリと痛み、のど回りの痛みなど、コリと痛みに悩まされます。

頚椎神経根症

頚部は7つの骨=頚椎で支えられています。その頚椎間を上肢に向かう神経が左右8本枝分かれしており、強い外力により椎間板などが突出し、その神経を圧迫している場合は神経症状が顕著に現れます。具体的には首や肩、腕、手などに痛みや痺れ、だるさ感を呈します。

バレリュー症候群

頚椎を走行している交感神経を痛めた病状名です。

交感神経は副交感神経とともに自立バランスをとる神経です。頚部の交感神経は頚椎の中をはしる椎骨動脈や頚動脈に神経を絡ませて血流の調整をしたり、眼や耳、心臓の機能にも働きかけている神経です。

この神経が外傷により働きが鈍くなり、バランスを崩した結果に呈する症状は多岐にわたります。耳鳴り、難聴、視力調節障害、眼精疲労、めまい、不眠、倦怠感、疲労感、脱力感、動悸、息切れ、食欲不振、悪心、頭痛、腰痛、肩こり、等々が症状例です。

脊髄症

頚椎の骨折や脱臼により脊髄そのものが損傷され上肢および下肢の症状=歩行障害と膀胱障害、直腸障害をきたし、脊椎の損傷ではもっとも重度なものです。

胸郭出口症候群

首の筋肉、鎖骨、第1肋骨、胸の筋肉などが鎖骨の下を通って腕に伸びる神経や血管を圧迫し、手や腕の痺れ、痛み、はれ、だるさ、肩こりなどを引き起こす傷病です。

斜角筋症候群・・・前斜角筋と中斜角筋の間の神経が圧迫されると起こり、手の薬指、小指に知覚異常や痛みが出現し、握力も弱まるのが特徴です。

肋鎖症候群・・・鎖骨と肋骨の隙間で血管や神経が圧迫されたとき、指先に軽い知覚障害と血行不良をおこします。疲労、姿勢などの変化で方が下がると起こりやすいといわれています。

過外転筋症候群・・・肋骨と肩甲骨の間にある小胸筋の下や第1肋骨と鎖骨の間で神経や血管が圧迫されると指先に血行障害、知覚障害が起こります。バンザイをするように腕を上げると圧迫が強まり、腕を頭よりも上げた状態をしばらく続けたときなどに起こりやすいといわれています。

ご相談こちらへ

トップページ