耳に関する後遺障害等級について

耳の障害について (自動車損害賠償補償法施行令・労災補償障害認定必携より)

イ聴力障害 

@両耳の聴力障害

聴力障害の等級は、純音による聴力レベルと、語音による聴力検査結果(明瞭度)を基礎とする。

純音聴力レベルはオージーメーターという機器を使い、明瞭度はスピーチオージオメトリーという機器で測定する。

耳の後遺障害(聴力、耳鳴り、耳漏)の立証には、上記検査機器による検査とともに、ABRとインピーダンスオージーメトリーという機器による検査が必須となる。

ABRとは聴性脳幹反応といい、インピーダンスオージーメトリーを使用する検査はあぶみ骨筋反射という。両者とも被検者の意思によるコントロールが不可能の検査であるため、コントロールが可能な検査と共に求められる検査である。

【聴力検査】

検査内容      検査機器

1純音聴力検査   オージーメトリー

2語音聴力検査   スピーチオージーメトリー

3ABR       ABR

4あぶみ骨筋反射  インピーダンスオージーメトリー

両耳の聴力障害については障害等級表に掲げられている両耳の聴力障害の該当する等級により認定され、1耳ごとに等級を定め併合の方法を用いて準用等級を定める取扱はされない。

120デシベル ・飛行機のエンジンの近く
110デシベル ・自動車の警笛(前方2m)・リベット打ち  
100デシベル ・電車が通るときのガードの下
90デシベル ・犬の鳴き声(正面5m)・騒々しい工場の中・カラオケ(店内客席中央)
80デシベル ・地下鉄の車内・電車の車内・ピアノ(正面1m)
70デシベル ・ステレオ(正面1m、夜間)・騒々しい事務所の中・騒々しい街頭
60デシベル ・静かな乗用車・普通の会話
50デシベル ・静かな事務所・クーラー(屋外機、始動時)
40デシベル ・市内の深夜・図書館・静かな住宅の昼
30デシベル ・郊外の深夜・ささやき声
20デシベル ・木の葉のふれあう音・置時計の秒針の音(前方1m)

第4級3号  両耳の聴力を全く失ったもの

(両耳の平均純音聴力レベルが90db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが80db以上であり、かつ、最高明瞭度が30%以下のもの)

第6級3号  両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になったもの

(耳に接しなければ大声を解することが出来ないとは、両耳の平均純音聴力レベルが80db以上、または両耳の平均純音聴力レベルが

50db〜80db未満で、かつ、最高明瞭度が30%以下のもの)

第6級4号  1耳の聴力を全く失い、他耳は40cm異常では普通の話し声を解することができない程度になったもの

(1耳の平均純音聴力レベルが90db以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが70db以上のもの)

第7級2号  両耳聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの

(両耳の平均純音聴力レベルが70db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの)

第7級3号  1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの

(1耳の平均純音聴力レベルが90db以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが60db以上のもの)

第9級7号  両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの

(両耳の平均純音聴力レベルが60db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のもの)

第9級8号  1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの

(1耳の平均純音聴力レベルが80db以上であり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが50db以上のもの)

第10級4号 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの

(両耳の平均純音聴力レベルが50db以上のもの又は両耳の平均純音聴力レベルが40db以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のもの)

第11級5号 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することが困難である程度になったもの

(両耳の平均純音聴力レベルが40db以上のもの)

聴力検査は日を変えて3回行なうことが求められているが、語音による聴力検査については、その検査結果が適正と判断された場合は1回で差し支えないとされ、検査と 検査の間隔は7日程度あければ足りる。

後遺障害等級の認定は6分式の平均値によって判断する。

平均純音聴力レベル = (A+2B+2C+D)÷ 6

A:周波数  500ヘルツの音に対する純音聴力レベル

B:周波数1000ヘルツの音に対する純音聴力レベル

C:周波数2000ヘルツの音に対する純音聴力レベル

D:周波数4000ヘルツの音に対する純音聴力レベル

A1耳の聴力障害

第9級9号  1耳の聴力を全く失ったもの

(1耳の平均純音聴力レベルが90db以上のもの)

第10級5号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することが出来ない程度になったもの

(1耳の平均純音聴力レベルが80db以上90db未満のもの)

第11級6号 1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を解することが出来ない程度になったもの

(1耳の平均純音聴力レベルが70db以上80db未満のもの又は1耳の平均純音聴力レベルが50db以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの)

第14級3号 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することが出来ない程度になったもの

(1耳の平均純音聴力レベルが40db以上70db未満のもの)

ロ 欠損障害について

耳の欠損障害については1耳のみの等級を定めているため、両耳の欠損の場合は1耳 ごとに等級を定めこれを併合して認定される。

また、耳の欠損障害と聴力障害が存在する場合は、それぞれの該当する等級を併合して認定され、醜状障害として捉える場合は上記の取扱はされない。

第12級4号  1耳の耳殻の大部分を欠損したもの

大部分欠損したものとは、耳殻の軟骨部の2分の1以上を欠損したものをさす。

醜状障害として捉えた場合、女性は7級12号に該当するが、両耳に醜状が残ったとしても併合はされない。

ハ・二 耳漏と耳鳴りについて

両者とも難聴が残存した状態(30db以上)であることを前提とし、常時耳漏を残 すものは12級相当と、耳漏を残すものは14級相当と認定する。

耳漏とは、開いた鼓膜の穴から分泌物が漏れ出る症状をいう。

耳漏と耳鳴りの後遺障害立証についても聴力障害の前文で書いたとおり4つの検査 が必要となる。

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